先日、久しぶりに会った友人との会話の中でいきなりアンリ・ベルクソンの名前が出てきた。長い間読んでいなかった名前がなつかしくて、昨年出版された「物質と記憶」をちくま学芸文庫新訳ではじめて読んだ。
きっかけは外的要因だったが、読みはじめて引き込まれおもしろくてあっという間に読みきってしまった。
100年以上前に書かれた書物とはとても思えない現代最先端の話題が随所にみられ、彼の問題提起がすばらしい分析とともに書かれていて訳者合田正人のあとがきにもあるとおりますます研究の対象としてクローズアップされてくるだろうという気がした。少なくともこの5年間に読んだ書物の中では最高におもしろかった。